想いの果てに、

少し虚しくなった気持ちを抑えてジュースを飲む。

それにしても「いつもの」で分かってしまうのだから、

そこに対しては優越感を感じた。

私と涼だけの、合図というか……。











「つーかさぁ~」

「ん?どうしたの?」

涼が急に口を開いたので、私はジュースを飲むのを止めてコップを置いた。

「昨日部活終わった後、隼人先輩に呼び止められちゃってさ」

「………隼人先輩、に?」






「そうそう!んで、何か棗がダチいじめてるとかって言うんだよな~」






隼人先輩、言ったんだ。

でも、私の思った通りでしょ?

私と涼の間には誰にも割り込めないよ。

私より涼のこと知ってる女なんて居ない、

涼より私のこと知ってる男なんて居ない、






たったの2年間で、私たちの絆を打ち切ることなんて出来ない。







「え…?そ、そうなの…?」

でもね、ここからがまた本番。

私は涼を想い続けたい。

誰にも渡したくない。

だから、私の偽善者ぶりは、まだ続くの。

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