やっぱり君が可愛すぎて

どさ、と乱暴にベッドに落とされたかと思うと、すかさず覆い被さってきた彼に両手を押さえ付けられて、身動ぎ1つ出来なくなった。


「誰がボクに反抗してええって言うたの」


いつもより低い彼の声に、びく、と体が強張る。


相変わらずの嘘臭い笑顔を浮かべたままなのに、まっすぐにこちらを射抜く目だけは、やっぱり笑っていない。


怖い。逃げたい。
本能的にそう願えば願うほど、彼のわたしを押さえ付ける力が強まる。
別に身体を捩って抵抗してるわけじゃない。彼に大人しく押さえ付けられたままでいる。なのにわたしを掴む彼の手は力を増していく。
まるで、わたしの逃げたいという気持ちを見透かして、逃がさないって言われてるみたいだ。


「ス、ズくん……痛い」

「そらそやろ。痛くしとるんやから」


そう言ってまた一段と顔を歪めた彼は、くす、と小さな笑い声を漏らした。


「でもボクは優しいからなァ……もっかいだけチャンスあげるわ」


彼の綺麗な顔が近付いてきて、鼻先が触れ合った。


「今日はどうしてそない反抗的な態度取るの?」


「教えて」 ざらり、耳を舐められれば、反射的に身体は跳ね上がって、一瞬にして血液が沸騰する。


「なァ?」


……言えないよ。


あなたが他の女の子と一緒にいるのが嫌だなんて、そんなこと言ったら嫌われちゃう。
あなたをわたしだけのものにしたいなんて、絶対言えない。







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