やっぱり君が可愛すぎて

テレビを観ながらくすくす笑っている彼女を横目で見る。


あぁ……可愛えわ、ほんま。


ボクにピッタリくっついて、ちょこんとソファーに座っている彼女は、まるで小さい子猫みたいや。


ボクの幼馴染み。


ずっと昔から可愛えくて可愛えくて仕方なかった。


ボクんこと大好きなくせに素直やなくて、嫌いやって言いながら、ボクの背中を一生懸命追いかけてくる。
そんな姿があんまり可愛えくて、ついつい意地悪したくなる。


ほんで数ヵ月前、彼女がついた小さな嘘がきっかけで、ボクらの距離は急速に縮まった。


ほんとはこの子が高校卒業するまでは我慢しょー思ててんけど。
無理やった。
男できた、て嘘言われたとき、まぁ、すぐに嘘やて見抜くことはできたけど。一瞬だったにせよめっちゃ焦った。
ボク以外の男が、この子に触れてるとこ想像したら、絶対に許されへんかった。


この子は昔も今もこの先も、ずっとボクんことだけ追いかけてればええんや。


他の男なんか一切視界に入らないくらい、ボクに夢中になって欲しい。


ボクが、君以外の女なんて一切眼中に入っていないのと同じように。

< 14 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop