やっぱり君が可愛すぎて

「わたしだって……好きだよ」


両想いだと分かったあの日から数ヶ月、スズくんは今までよりもわたしのことを側に置いてくれるようになった。


連絡もくれるし、遊んでくれるし、わたしの学校が休みの日は、今日みたいに彼の一人暮らしの部屋に泊めてくれる。
いっぱい撫でてくれるし、いっぱい抱き締めてくれるし、いっぱい好きって言ってくれる。
最初の頃は苦しくて必死だったセックスも、最近は随分慣れてきて、気持ち良いって思えるようになった。
でも、気持ち良いって思うようになるにつれて、なんで彼はこんなに上手なんだろう、って複雑な気持ちも生まれるようになった。
わたしはスズくんとしたのが初めてだけど、スズくんはきっと……いや確実にわたしが初めての相手ではなくて、もっと色んな女の子とそういうことしてきたんだろうな、って。
そう考えると、黒くてもやもやしたものが、胸に広がっていく気がした。


突然、ヴー、とテーブルの上で携帯が震えた。


無防備に置かれた彼の携帯が、着信を知らせようと光りながら震えている。


自動で光り出したディスプレイに浮かび上がっているのは、わたしが知らない女の子の名前。



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