やっぱり君が可愛すぎて
ソファーに寝転がり、真っ白な天井を見つめながら、ぼんやり考える。
じゃあ、今のわたしたちの関係ってなんて言うんだろう。
付き合ってないけど、お互いのことは好きで、たまに遊んだり、セックスしたりする関係。
「……セフレ」
ぽつり、口に出してみた寂しい言葉に、鼻の奥がつん、と痛んだ。
学校で友達がよくセフレについて話しているのを聞きながら、自分には絶対できないなって思っていたのに。
どこか別の世界のもののように感じていたセフレという存在が、いつの間にか自分のすぐ側にいたなんて。
それも幼い頃からずっと追いかけてきた大好きな人だなんて。
こんなの、悲しすぎる。
その時、ガチャ、とリビングの扉が開く音がして、慌てて視界が滲み始めた目をおさえた。
「上がりましたよ~。あらら、寝てたん?」
「……寝てない。横になってただけ」
「さよか。ほんなら起きて」
「なんで」
「なんでって、君がそないごろんとしとったら、ボクが座るとこあらへんやないの」
「床」
「なんや、今日はやけに意地悪言うんやね」
「よい、しょ」 彼は軽々とわたしの身体を持ち上げソファーに座ると、わたしの頭を自分の膝に乗せて、そのままゆっくり身体をおろした。
彼に膝枕をされながらソファーに横になったわたしは、まるで彼に飼い慣らされた猫みたいだ。
「ねぇ」
「ん?」
「携帯、鳴ってた」
そう言って、先ほどまでうるさく鳴り響いていたテーブルの上の携帯電話を指差すと、彼は「ああ」とそれに手を伸ばした。