ハニー*トラブル~君の彼氏はつらいよ~
◇第1話
◇
◆
「――あ、の、わたし……」
朝から。
今日の朝起きたときからだ。
嫌な予感はしてた。
占いをみても、どこもやぎ座は最下位で、
そんでもって、うちにいるエセ占い師(俺の姉ちゃん)には、
『朝陽、あんたの運勢めちゃめちゃいいわよ、今日ね、告白されるわ』
とか言われたり。
姉ちゃんの言うことは大体外れるから信じられねぇな、なんて思って登校して。
いや、つーか、元々占いなんて信じてないタイプなんだけど
登校するとやけに怖い視線(主に男子の)を感じたり。
かと思ったら、この学校で一番美人かつ可愛いと称されている城ヶ崎美咲さんの視線を感じたり。
これはまぁ、……正直嬉しかったけど!
今日はどこも俺の運勢は最悪だったはずなのに、珍しく姉ちゃんの占いが当たるのか?なんて、ちょっと思った。
俺ってばモッテモテー!!とか調子のった。ええ、のりましたとも。
目の前でもじもじと指と指をしきりに合わせてはぎゅっと握るのを繰り返しているのは、親衛隊もいると噂されている城ヶ崎美咲さんで
俺は放課後に呼び出されて、ただいま校舎裏にいるわけなんですけど。
いやいや、万々歳ですよ。ほんと。
こんな美人に呼び出されることなんて、一生に一度もないと思ってたし。
俺がこんな美人に呼び出されるのは、後にも先にもこの一度だけだろうって理解している。
この場にいるのが城ヶ崎さんだけなら、両手を挙げて喜ぶところだ。
たとえ、城ヶ崎さんに変人だと思われても、そうするところだ。
まぁ、“城ヶ崎さんだけ”だったらの話なんだけど
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