ハニー*トラブル~君の彼氏はつらいよ~
ギロリと、校舎内と木の陰からとんでもなく恐ろしい視線を感じる。恐ろしい視線を通り越してむしろこれは殺気だ。
……おそらく、いや確実に、城ヶ崎美咲親衛隊のみなさまだ
そう、城ヶ崎さんだけなら、俺はほんっとに喜んでたんだ。
どうやら、テレビの占いが当たってしまったらしい。俺の運勢は最悪だ……。俺は今日から占いは信じようと思う。
心に誓おう。占いを信じると!
「松本くんが、ずっと好きなんですっ! つ、付き合ってください!」
姉ちゃんの占いも半分は当たったから、これからは占いを頑張る姉ちゃんのことも応援してやろうと思う。
……わかってたさ。呼び出されて、告白されるのなんてドラマや漫画でも定番じゃんか!
ちょっと自意識過剰な気もするけれど、いや、かなーり自意識過剰だと思うけど、こんなことになるってやっぱり期待してたさ!!
「あ、ああありがとう」
うわ、ダセェ!どもってしまったぜ、俺!
しかも声ちっせぇ!!
城ヶ崎さんの大きな二重の目がうるうるした状態で俺を見上げてくる。
……めっ、めちゃくちゃ可愛いぞ、オイ!
雪のように白い肌は、頬だけが淡い桜色に染まっていて、それがなんとも言えない色気を出している