ハニー*トラブル~君の彼氏はつらいよ~


つーか、こ、これ、なんて返事すればいいんだよぉ!


イエスと答えてもノーと答えても、校舎の中と、あの木陰で覗き見してる人たちにボッコボコにされそうなんですけどっ!!


「えーと、あの、なんで俺?」


とりあえず、誤魔化そうと話題を変え……、られないから、理由を聞いてみることにする。


俺の質問にポッと顔を赤く染めてうつむいてしまったが、すぐに顔をあげて照れくさそうに微笑む城ヶ崎さん


「松本くん、前にわたしが男の子に告白されてて困ってるときに、見ず知らずのわたしのこと助けて…、すごく優しい人だなって思って」


えへっ、なんて指先で前髪をいじりながら身をよじる姿さえも、絵になる。


……んん? っと、助けたって、いつのことだ?



記憶になく、首をかしげると、城ヶ崎さんが少し悲しそうに笑った


「やっぱり覚えてないよね、わたし地味だし……」

「え、いやいや! 地味じゃないよ!? 俺そんな大したことしてないのにって……」


おいおい!



城ヶ崎さんが地味だってんなら、この世の人間、全員空気だぞこのやろう! 塵だぞ! 蒸気だぞ!


ていうか、俺、今回以外で城ヶ崎さんと顔合わせたことあったっけ?


ずいぶん前にそんなようなことがあったような気もするけど……



やっぱり、あんまり覚えてないです。
ごめんなさい。本当にすみません


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