ハニー*トラブル~君の彼氏はつらいよ~
つまり、城ヶ崎さんは、その時に助けた俺を見て、好きになってくれたのか…。
ラッキーなんだかアンラッキーなんだか
いーや、親衛隊さえいなければ間違いなくラッキーだ。親衛隊さえいなければ!
再三言うけど、親衛隊さえいなければな!!!
「松本くんは、わたしのこと嫌い?」
嫌い?
のところで首をかくんと傾けるのが、すげー可愛い。真面目に。
いや、城ヶ崎さんならばなにをしても可愛いんだろうけど!つーか絶対に可愛い!
俺、ずっと城ヶ崎さんのこと可愛い可愛い言ってるけど、俺のボキャブラリーが少ないからこんな稚拙な表現になってるだけで
本当は、可愛いって言葉じゃ表せないほど可愛いんだぜ!……また可愛いと言ってしまった!!
「嫌いじゃないっスよ、むしろ好きっス……」
あ。
ポロリとこぼれた言葉を聞いた親衛隊からグッサグサと鋭い殺気が俺を襲う。
それとは対照的に城ヶ崎さんはこれまでに見たことのないような可愛らしい笑顔を見せて俺の手をとって「嬉しい!」と声をあげた
俺、今、スッゲーまずいこと言わなかった?え、どうしよう!
つか、手!手!!
城ヶ崎さんの手が俺の手握ってるんですけど!?
どういうこと!?
「あ、あの、じゃあお付き合いしていただいてもいいですか?」
目からビームでてんじゃねぇかってくらいキラキラした眼差しを向けられて俺が断れるわけもなく、
「は、はは……俺なんかでよければ……」
なんて返事をすれば、城ヶ崎さんは嬉しそうに頬を赤く染めたまま何度もお礼をいってくる。
……どうしよう、俺、城ヶ崎さんと付き合うことになっちゃったんですが
殺気はもっと強くなり、俺をグッサグッサ突き刺してくるけど、多少、城ヶ崎さんの微笑みで緩和されている。…気がしなくもない
――どうやら、今日から俺のハチャメチャ人生が始まるようです。
きっと、たぶん。
いや、絶対。
◇
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