ハニー*トラブル~君の彼氏はつらいよ~
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「お? おかえりー、どうだった? 告白された~?」
リンチされかけながら走って家に帰ってくれば、リビングのソファーに寝転がってた姉ちゃんが明るい声で尋ねてくる。
されましたよ。ええ、されましたとも。おかげさまで、さっきリンチされかけましたがね。
捕まった瞬間、俺に命はないと思ってめちゃくちゃ走って帰ってきましたね。
「……告白されたけど運勢は最悪だった」
「はぁ? なんだそれ? あ、わかった、告白されたけどその子が可愛くなかったんだろ」
「いや、可愛い、姉ちゃんより何万倍も可愛い。その子と比べたら姉ちゃんなんか下の下の下。月とすっぽん、豚に真珠。雲泥の差だ……」
本音が飛び出した瞬間、姉ちゃんが立ち上がって、テレビのリモコンが俺の顔面めがけてとんでくる
寸前で避けるが、リモコンは壁にぶつかって電池が外れた。
え、えぇ~~!?
バクバクと激しく鳴る左胸を片手で覆う
「いやいや、あっぶね、怖っ!」
「朝陽、てめぇ次そんなこと言ったらベッドに鎖で縛り付けてろうそくで全身あぶるぞ」
「えぐいなっ! しかもなんでSMチックなの!? 怖いわ!」
ポテチの袋を雑に開けて、リモコンを俺に拾わせて、再びソファーに寝転がる姉ちゃん
これ、女じゃなくね?
とても俺の二つ上の女だとは思えないんだけど?
上下ジャージ姿に前髪はヘアバンドでとめてあるし。
化粧なんか崩れてるし、本当に城ヶ崎さんと同じ性別ですか?と問いかけたくなる
まずあなた同じ人種なんですか?って聞きたくなる。