嫌われ者に恋をしました*エピソードplus
「隼人さん、そろそろ開けてもいいですか?」
私はプレゼントが気になって、早く開けたくて、テーブルに箱を置き手を握ってうずうずしていた。
だって、気になるんだもん。
「いいけど、開けたら着てね」
「着る?」
この軽さで洋服?……なんだろう?
まさか、イースターだからイースタバニーならぬバニーガールの格好とか?
……それはちょっとイヤかも。
「じゃあ、開けてみて!」
「はい」
ゴクリと唾を飲み込んで手触りのいいリボンと綺麗な包装紙を外したら白い箱が出てきた。
そっと箱を開けると……。
「…………!」
こっ、これはっ!
下着じゃないですかっ!
しかもスケスケのワインレッド!
大人っぽーい!でも、レースが綺麗で可愛いかも。
嬉しそうに驚く私を見ているけれど、まさかこれ、隼人さんが買いに行ったの!?
「阿久津さんから聞いたんだ。奥さんの情報によると『雪菜はスケスケの下着が欲しいのに手を出せずにいた』って」
「……」
欲しかったわけでは……。いや、確かに悩んだけど。
そもそも隼人さん?会社で阿久津課長とそんな話をしてるんですか?だいたい花ちゃんも、旦那さんにそんな話をしていたとは!
「これ、隼人さんが買いに行ってくれたんですか?」
「まさか!阿久津さんの奥さんに買ってきてもらったんだよ」
なるほど!そうですよね?
っていうか、花ちゃんったら!私に秘密でそんなことをしていたなんて!
でもさすが、花ちゃんの選んだ下着なだけあって、センスが良くてスケスケなのにとても上品。着るのは恥ずかしいけれど。
「これを、着るんですか?」
「うん!着て!」
隼人さん、楽しそうですね。考えてみたら、隼人さんってエッチだけど爽やかなエッチですよね?それはそれでとってもいいですね、なんて感心してしまう。
そっと箱から出してみる。柔らかくて滑らかな手触りにうっとりする。ブラとショーツのセットなんですね?
刺繍も綺麗。でもコレ、やっぱり透けてる部分が多いですよ?
「ささ、早くシャワー浴びておいでよー、早く早くー」
「……」
もうっ!子どもみたい。嫁にスケスケの下着を着せてはしゃぐなんて。
でも、隼人さんのそんな顔を知っているのは私だけ。そう思ったら嬉しくなってうなずいて、大人しくシャワーに向かってしまった。