嫌われ者に恋をしました*エピソードplus
タオルで頭を拭く隼人さん。眼鏡を外した姿は夜だけの、私だけが知っている姿。やっぱりドキドキしてしまうのです。
「おっ、ベッドの真ん中にスタンバッちゃって、雪菜は可愛いな」
嬉しそうにニッと笑う、そんな爽やかエロな隼人さんに応えるべく、目をそらしてがんばってつぶやいてみた。
「うん……、待って、たの」
そんなことを言ったら、どうなるのかはわかっていたけれど。
隼人さんは目を細めてタオルをパサッと椅子に掛けると、ゆっくりと音もなく迫ってきた。
隼人さんは時々こういう動きをする。そのしなやかな動き、豹みたい。これがまた、すごく色っぽいのです。
「雪菜、スケスケな下着でエロい気分になっちゃった?」
ニヤリと笑って、座り込む私のパジャマのボタンに手をかける隼人さん。
「えっと、その……。爽やかなエッチっていいかもしれないなって、思ったのです」
「はっ?なにそれ?爽やかなエッチ?」
隼人さんは驚いた顔をして手を止め、私を見た。
「はい、……隼人さんがそうだから」
「えっ!?俺って爽やかなエッチ?」
「そう、思いますよ?」
「ふーん、爽やかなエッチねえ。それはそれで悪くないけど……」
隼人さんは視線を下に戻した。
「こんなの見ちゃったら、粘着質なエッチになっちゃうな」
ハッと気が付くと、大きく開かれたパジャマの胸元から例のブラが丸見えに……。
改めて見ると、やっぱり透け具合がかなり恥ずかしい。自分でもみるみる頬が赤くなっていくのがわかる。
そういえば!電気消してもらうの、忘れてた!
「あ、あのっ、電気を……」
「消すわけないだろ。何のためのスケスケ?それは見るためっ!」
「……」
なんか、その言い方も爽やかですね。
まあ、言われてみればその通りです。電気を消したらスケスケの意味がないですもんね。
こうなったら、爽やかエロな隼人さんに身を任せよう、なんて思っている矢先に隼人さんの指先が刺繍にそっと触れてきたから、ビクッとして息を潜めた。
生地が薄いから、指先の感触にますます敏感になる。
「これは、ヤバいな」
……それは私の台詞です。
刺繍に沿ってなぞる長い指。ゾクゾクする。こんな感覚、とてもじゃないけど爽やかになんてなれない
私の爽やかエロへの道のりは長そうです。