嫌われ者に恋をしました*エピソードplus

 外を見ていた隼人さんが息を吸った。

「雪菜……、雪菜にとって俺はそんなに頼りにならないのかな?」

 頼りにならない?隼人さん、何を言っているの?私、こんなに頼りにしているのに。あなたが全てなのに。なんでそんなことを言うの?

 隼人さんは私の方に体を向けた。

 やっと私のこと見てくれた。いつもの大好きな瞳と目が合って、それだけで嬉しくて嬉しくて、涙がこぼれ落ちた。

 私が泣いたのを見た隼人さんは、早足ですぐ目の前まで歩み寄ると、頬の涙を拭った。

「泣かすつもりはなかったんだけど」

 そばに来てくれたことも嬉しくて、ますます涙が落ちてきた。私のこと、嫌いになったんじゃないの?

「……私のこと、いらなくなったの?」

「そんなわけないだろ!」

 隼人さんは目を開いて大きな声を出すと、私を勢いよく抱き締めた。

「ごめん、変な態度とって。不安にさせた?」

 私はうなずいた。不安になるに決まってる!だって無視されたんだよ?不安で不安でたまらなく不安で、もう死んでしまいそうなのに。

「隼人さん、……ひどいです」

「雪菜だってちゃんと話してくれなかったじゃないか」

 隼人さん、何のことを言っているの?

「……隼人さんが、何を言ってるのか、全然わからない……」

 隼人さんは抱き締めていた腕を緩めて、私を少し離した。

「無理に行かなくていいって言っただろ」

「どこにですか?」

「……支部長の家」
         
「?」

 それはあの婦人会的な何かのこと?私は首を傾げた。
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