嫌われ者に恋をしました*エピソードplus
もしかして、隼人さんと斉藤支部長の改革路線が違うから?仕事でぶつかることが多いから?だから、私があの婦人会的な何かでいじめられたというの?
もう!本当にくだらない!斉藤支部長の奥様はそんなことをして、夫の仕事をサポートしているつもりなの?
「私があの集まりに行っても行かなくても、隼人さんのお仕事に影響しないことくらい、私にだってわかります!それに、いじめられて不快だったら、隼人さんにすぐお話しします!私、隼人さんのこと、すごく頼りにしてるんですから!」
私が勢いよく一気に言ったから、隼人さんはたじろいだ。
「雪菜、怒ってる?」
「怒ってます!」
「……俺があんな態度とったから?」
「そうです!私の心は死んでしまいました」
「雪菜……」
「私、もう死んじゃった!」
なんか、だだっ子みたいになってるってわかっていたけれど、抑えられなかった。
だって、隼人さんにあの生き返る呪文を言ってほしかったから。だだをこねたら、隼人さんならきっとわかってくれるはず。
「雪菜、愛してる」
やっぱり隼人さん、わかってくれた!でも、もっともっと言ってほしい。
「まだ生き返らないのです」
「愛してる。雪菜を愛してる」
「もっとぎゅーっとして唱えないと、生き返りません」
隼人さんは私の望み通り、ぎゅーっと強く抱き締めて、私を腕の中に閉じ込めた。この包まれてる感じが大好き。
「雪菜。雪菜のことをただ一人一生愛してる。雪菜に嫌われたら、俺も死んでしまう」
「……」
「まだ生き返らない?」
ううん、もう十分。生き返りました。
「私も隼人さんのこと、ただ一人一生愛してます」
「……良かった。じゃあ両思いだね」
見上げると、隼人さんが困ったように微笑んでいた。だだをこねすぎた?