嫌われ者に恋をしました*エピソードplus
「花ちゃんが出会ってきたダメ男ってどんな人なの?」
花ちゃんは腕を組んだ。
「アタシってさ、いわゆる飲食店勤務だったわけ」
「飲食店勤務?」
「うん。言ってしまえばキャバ嬢」
「あ、そうなんだ」
花ちゃんみたいなしっとりした美人なら問題なく勤まりそう。人気あっただろうな。
「変に思う?」
「変?」
「軽蔑しない?」
「しないよ、私のお母さんもそうだったから」
「へー?そうなの?ちょっとイガーイ。あ、でねっ、なんでキャバ嬢になったかっていうと、お金が必要で、お金が必要だったのは男を養うためだったりしたわけ」
何で男を養うことになったんだろう??まずそこがよくわからない。
「男を養うってどういうこと?」
「んーとね、全員漏れなく出会った時は優しい人なの。でも、付き合って一緒に住み始めるとだんだん仕事しなくなって、家でゴロゴロしてお小遣いせびるようになって、浮気するようになって、殴るようになるんだよ。で、泥沼みたいになって別れたくないってしがみ付いても結局最後は捨てられるの」
えっ……?
それって悲しすぎない?私、瀬川さんのこと世の中で一番酷い男くらいに思ってたけど、もしかしてマシな方だった?
「それは、確かにダメ男だね」
「でっしょー。でもさ、気が付いたの。もしかしてアタシ、そういう男を選んでるんじゃないかって」
全員そうなら、そうなのかもしれないけど。
「そうだったの?」
「わかんない。だから、雪菜に聞いてみたかったの」
そこで私の登場なんだ。でも私、ダメ男好きじゃないからお役に立てません!
「なんで私がダメ男好きだと思ったの?」
「なんだろ、……匂い?」
匂い??何だろうその解答。