嫌われ者に恋をしました*エピソードplus
「私、いいお母さんになれるかな?」
「うんっ!雪菜、意外と適当なところあるし」
え?適当?
「私って、適当?」
「いやいや、全部ってわけじゃなくて、適当なところもあるって話!」
「うーん」
「だって雪菜、苛められても気が付かなくてそのまま普通に掃除なんてしてたし、少なくとも神経質じゃないよね?」
花ちゃんはプッと笑った。私、神経質じゃないかな?でも、まあ……確かにそうかもしれない。
「それに適当な方がね、いいお母さんになれると思うんだ」
そうなの?ここは先輩ママのお話をきちんと聞いておこうかな。
「どうして?」
「子どもなんて思い通りには動かないからさ。何でもキチキチ計画通りなんて絶対ムリだし、テキトーなくらいがちょうどいいんだよ」
「ふーん」
そういうものなのかな?確かに子どもは思い通りには動かないと思うけど。そんなもんだって適当に考えておいた方がいいってことかな?
「だから、雪菜はいいお母さんになれると思うんだよね」
花ちゃんはニコニコと確信したようにうなずいた。うーん、誉められてるのかけなされてるのか、ちょっとわからないけれど、少しは勇気をもらえたかもしれない。
やっぱり隼人さんと話をしてみようかな。話してみないと、考えてることなんてわからないもの。
隼人さんが私とお母さんのをどう思ってるのか聞いてみたいし、私が怖いと思っていることを話してみたい。
私自身も自分がどう思ってるのか、整理したいのかもしれない。話をしたら少しは頭の中が整理できそうな気がする。