嫌われ者に恋をしました*エピソードplus
なんて素敵!なんか、すごく楽しいっ!
歩きながら屋台を見ていても、並んだ雑貨の何もかもが可愛く見えて、あれもこれも欲しくなってしまう。
今までこんなに物を欲しいと思ったことがあったかな?お買い物でこんなにはしゃいだことがあったかな?
結局私は、雪の結晶の形をしたオーナメントや、木製の天使の飾りを自宅用に買い、レベッカさんはクリスマスパーティー用に藁の飾りや林檎の飾りなんかを買っていた。
花ちゃんは「子どもたちと一緒に飾り付けするんだー」と言いながら、ろうそくを持ったサンタさんやら星やリボンを大量に買っていた。
クリスマスマルクトは幻想的で活気があって心から童心に戻って楽しい気持ちになった。
私にもこんな風に、子どもみたいにはしゃぐ気持ちがあったんだ。そのことを実感したら嬉しくて、幸せな気持ちでいっぱいになった。
この素敵な景色を隼人さんにも見せてあげたい。今度は隼人さんと一緒に来たいな。
家に帰ってすぐツリーに飾りを付けてみた。ドイツ流ならクリスマスイブに飾り付けをするんだろうれど、私、日本人だし。なにより、今日の楽しかった雰囲気をそのままツリーに乗せたかった。
ちょっと鼻唄なんか歌っちゃったりして。
「楽しそうだね」
「わあっ!」
ビックリした!
急に後ろから隼人さんが声をかけてきた。
いつの間に!?
「チャイム鳴らしたけど、聞こえなかった?」
「……す、すみません」
「いいんだよ、なんかすごく楽しそうだし。雪菜の鼻唄なんて、初めて聞いたし」
ククッと笑ってニヤニヤする隼人さん。
うー、恥ずかしいところを見られてしまった。
「この飾り、買ってきたの?」
「え?あ、はい。レベッカさんにクリスマスマルクトに連れて行ってもらったんです。すごく綺麗で、すごーく楽しかったんです!」
「そう?良かったじゃん」
隼人さんは優しく私を見つめた。
「今度は隼人さんと一緒に行きたいです」
「うん。行こう」
やった!嬉しい。隼人さんを見上げてにっこり笑ったら、隼人さんも優しく微笑んだ。