嫌われ者に恋をしました*エピソードplus

 花ちゃん、ホントにベタだよ……。それに、下着を着るのが合図だとしたら、服脱がないとわからないよ?だいたい、エローい下着ってどんな下着?

「エロい下着なんて持ってないよ」

「じゃあさ、スッケスケのヤツ買いに行こうよっ!ドイツのスッケスケってどんなんだろー?チョー興味ある!」

「ええっ?透け透け?そんなの着れないよっ!ムリムリ!」

「えー?旦那さん、絶対に喜ぶよ?」

 それは阿久津課長の趣味なのでは?隼人さんがそんなものに喜ぶだろうか?

 いや……。喜ぶ、かもしれない。でも、かなり恥ずかしい。

「そんなの無理だよ、恥ずかしいもん」

「あれ?雪菜は照れ屋さんなのかな?」

「そうだよっ!」

 さっきからその路線を前面に出していたつもりなんだけど!気がつかなかった!?

「雪菜がエローい下着なんか着て『ごろにゃーん』って甘えたら、旦那さんイチコロだと思うんだけどなー」

「ごろにゃーん?」

「そそっ!上目づかいで甘えるのっ」

 上目づかい、か……。できるだろうか。

「あと効果があったのはねー、触れるか触れないかのギリギリをサワサワやんわり触るっ」

「……」

 サワサワやんわり?……触るってどこを?

 困った顔でふるふると首を振る。

 私にはムリだよ。私、そんな積極的になれない……。それにしても効果があったということは実践済みってことだよね?花ちゃん、そんなことをして阿久津課長のこと誘ってるの?

 要するに阿久津ご夫妻は円満ってことだね?

「よーし!じゃあ、体温計と下着を買いに行くぞー!」

 花ちゃんはレッツゴー!と拳を上げる仕草をした。困った……非常に張り切っている……。

「花ちゃん。体温計だけでいいよ」

「ええ?行こうよー!つまんないよぅ」

「じゃあ、花ちゃんの下着を買おう?一緒に見に行くよ?」

「ホントー?じゃあ、ついでに雪菜のも選んであげるねっ」

「いやいや、私のはいいから!」
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