嫌われ者に恋をしました*エピソードplus
それなのに、隼人さんは黙ってしまった私にサラッと言った。
「じゃあさ、いつがいいのか教えてよ。スケジュール合わせるから」
「……?」
思わず首を傾げる。
スケジュール合わせる?何のスケジュール?……どういうことだろう。いつの間にか別の話になった?
「きっと、この日にするといいって日があるんだろ?」
あれ?やっぱりその話だよね。
「それはそうなんですけど……えっと、スケジュールって?」
「スケジュールはスケジュールだよ?事前にわかっていればその日にスケジュールを合わせて早く帰れるように仕事を整理しておくとか、いろいろあるだろ?」
えっ……?なんかまじめっ!?
なにその真面目な感じ!知ってたけど、隼人さんってすっごい真面目だよね?それとも、またからかってるの?
私、どこまでが冗談でどこまでが本気なのか、本当にわからない。
「でも……体温を計ってみないといつがいいのか、まだわからないから……」
「ああ、そっか。それもそうだね」
あれ?今回は冗談じゃなかったんだ?あんまりどストレートに真面目だからびっくりしちゃった。
いえいえ、真面目なのはとても良いのことなのです。良いんだけど。なんて言うのかな?隼人さんが真面目すぎて、恥ずかしいとか言って照れている自分がバカバカしくなってくる。
「じゃあさ」
そう言った隼人さんの瞳の輝きとわくわくした表情にちょっと嫌な予感がした。
「明日の朝から毎朝体温をちゃんと計って記録しよう!データを集めないと仮説を検証できないからね」
やっぱり……。隼人さん、今、変なスイッチ入ったよね?データを基に仮説を検証し評価する、なんて真面目なこと言わないよね?
「どんな体温計?細かく計れるの?どの段階で計ればいいんだろう?」
「朝起きた時、動く前に計るらしいですよ?」
「へえ?そうなんだ。ねえねえ、体温計見せてよ」
困ったな。めちゃめちゃスイッチ入ってますね?もう興味津々。