エースとマネージャーの恋
そして、掃除が終盤に差し掛かかってきたところに女がウジャウジャ入ってきて
俺の周りに集まり始めた。


きゃー!!


唯人くーーーん!!


素敵〜‼︎‼︎‼︎


かっこいい〜‼︎‼︎‼︎‼︎


これ食べて〜〜‼︎‼︎‼︎



これ飲んで〜‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎




そこへ、いつもなら気にする様子もなく
モップかけに精を出すリツが


ぽとり……とモップを投げ捨てると



その女たちに向かって言ったんだ



「おいっ!!!あんたたちいい加減にしてよ!!!!掃除ができないじゃない!!!それに、ユイは私のなのっ!!!!
私はね、今までは博愛主義者だったけど、人類皆友達!と思ってきた!!
それも今日までだよっ!!全員相手してやるから、纏めてかかってこーーーい!!!!」



若干またおかしな事言ってたけど


いたって真面目なリツはバスケットボールを指で転がしなからスリーポイントの位置まで移動すると


「あんたたち!!ここはバスケ部よ!
バスケにはバスケで勝負よ!!」


と言うと、綺麗な瞳はゴールを一点に見つめると、綺麗なフォームでスリーポイントシュートを放つ。


そして吸い込まれるようにゴールに
ストンと収まった。


女たちの歓声も一瞬静まり
静寂に包まれた瞬間



「私に勝てるもんなら
かかってきなさい‼︎小6まで私は
ユイとエースの座を奪い合う仲だったのよ?!ミニバスだと思ってバカにしないでよね!全国優勝だってしてるの知ってらして…(笑)お〜ほほほほほほ(笑)
さぁ、誰でもかかってこんかいっ〜‼︎」



久しぶりに見たリツのシュートは
最高に綺麗だった。
見た目も落ち着いた美人だから尚更に。
部員すら止まって見惚れていた。



が、その後の態度は女たちを逆上させるには充分すぎるほど調子に乗ってたけどな…



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