涙に溺れてしまう前に。
「んー、………あったぁ!」



「…私も!」



「「別れちゃったねー…」」



クラス発表の掲示板の前。



重なる言葉にお互い顔を見合わせる。



「なんだぁ、ゆゆ、なつと一緒になれなくてそんなに寂しいのぉ?」



「それ、そっくり返すわよ」



本当はなつと一緒になりたかった、なんて、口が裂けても絶対言ってあげな



いんだから。



そんな私の心情を察して…はいないであろうなつは、とことこと廊下を進んで



いく。



追いついたところでなつに歩幅を合わせていると、独白のように呟く声が聞



こえた。


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