ラスト・バレンタイン
「えー今日はバレンタインだが、授業にはちゃんと集中して受ける事!!
お前ら次第で、菓子持って来んの禁止にすっからな」
威勢良く入ってきた若い担任は、挨拶もそこそこに、その話から。
・・・・・・そういや、この人彼女出来たって言ってたっけ。
ブーイングを軽く流し、頑張れよーと教室を足早に出て行く。
何しに、教室まで来たのか分からない。
とは言っても、この担任は人気があるので不思議である。
「佐伯、お前誰かからかバレンタイン貰った?」
そう俺の顔を覗き込む、前の席の男子。
「んーいいや、誰からも」