【完結】セ・ン・セ・イ
「進藤くんの生徒って、高校生だっけ?」
横から話しかけてきたのは同じサークルの木嶋沙織。
学部が違うのでサークル以外で顔を合わせることはほとんどなかったが、連休に入り、自由参加ながら毎日行われるサークル活動に積極的に参加している彼女とは最近打ち解けたばかりだ。
法学部法律学科に籍を置く木嶋は、特に教員を目指しているわけでもないのに教職課程を取っているレアな女だ。
闇雲に資格を欲しがっているわけでもなく、ただ単に興味本位だというから尚更。
突っ込んで聞いてみたら「後学のためよ」と笑っていたが、教職課程が法律家になるのに何の役に立つのか俺には想像もつかない。
「面白そ。私の教え子もたまには連れ出してみよっかな」
で、高校地歴公民に教科を制限して家庭教師の登録をしたところ、最近になってやっと生徒がついたらしい。
社会科だけの家庭教師の需要は相当少ないだろうから、その生徒は余程1学期の社会の成績が悪かったんだろうと俺は勝手に決めつけている。
「ああ、木嶋も連れてこれるならそうしてよ。さすがに高校生1人連れてこられても肩身狭いだろうし、俺の生徒も多分その方が和むわ」
「ちょい、ちょい。何で俺には言わないわけ? そーゆーこと」
不服そうに裕也が口を挟んでくるが、
「……いやお前の生徒、中学生でしょ。大学見学とか、なんか胡散臭くなるじゃん」
そう言うと、木嶋も「確かに! ないわー」と賛同してカラカラと笑った。
横から話しかけてきたのは同じサークルの木嶋沙織。
学部が違うのでサークル以外で顔を合わせることはほとんどなかったが、連休に入り、自由参加ながら毎日行われるサークル活動に積極的に参加している彼女とは最近打ち解けたばかりだ。
法学部法律学科に籍を置く木嶋は、特に教員を目指しているわけでもないのに教職課程を取っているレアな女だ。
闇雲に資格を欲しがっているわけでもなく、ただ単に興味本位だというから尚更。
突っ込んで聞いてみたら「後学のためよ」と笑っていたが、教職課程が法律家になるのに何の役に立つのか俺には想像もつかない。
「面白そ。私の教え子もたまには連れ出してみよっかな」
で、高校地歴公民に教科を制限して家庭教師の登録をしたところ、最近になってやっと生徒がついたらしい。
社会科だけの家庭教師の需要は相当少ないだろうから、その生徒は余程1学期の社会の成績が悪かったんだろうと俺は勝手に決めつけている。
「ああ、木嶋も連れてこれるならそうしてよ。さすがに高校生1人連れてこられても肩身狭いだろうし、俺の生徒も多分その方が和むわ」
「ちょい、ちょい。何で俺には言わないわけ? そーゆーこと」
不服そうに裕也が口を挟んでくるが、
「……いやお前の生徒、中学生でしょ。大学見学とか、なんか胡散臭くなるじゃん」
そう言うと、木嶋も「確かに! ないわー」と賛同してカラカラと笑った。