ESORA PINK《短》
存在を忘れそうになっていたブランデーで喉を潤そうと、テーブルに手をのばす。

「……いつから?」

すると廉からそんな言葉足らずの問いかけをされた。

いつもの私なら、なにが、 とわざと聞き返すのだけれど、今日それをするのは無粋だろう。

私はブランデーにのばしていた手を引っ込めて、ほんの少し考えるフリをしながら髪を触る。

「うーん。確信したのは廉が描いた渉の絵を見たときかな」

そして正直に、その瞬間のことを告白した。


「なんで?」

その告白が意外だったのか、廉は驚いた表情のまま素直な問いを私にぶつける。

同時に私は、廉が描いた渉の絵を思い出してした。
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