ESORA PINK《短》
いくら緩い部活動だと言っても、作品を一つも制作しなかったら廃部になってしまう。
だから年に一度、私達は文化祭に合わせて作品を制作していた。
その中の一つに、廉が渉を描いた絵がある。
その絵は椅子に座っている渉が窓の外を見ている、なんの変哲もないものだった。
でも窓の外を見ている瞳がとても真剣で、その瞳の鋭さはいつも明るく笑っている渉からは想像出来ないものだった。
多分、あの絵を見てモデルが渉だと気付いた人間はほとんどいないだろう。
だけどその表情は、渉がたまに垣間見せるもので。
「……あいつのあの顔を描ける奴が、あいつに惚れないわけがないもの」
私が渉に落ちた瞬間の表情だった。
だから年に一度、私達は文化祭に合わせて作品を制作していた。
その中の一つに、廉が渉を描いた絵がある。
その絵は椅子に座っている渉が窓の外を見ている、なんの変哲もないものだった。
でも窓の外を見ている瞳がとても真剣で、その瞳の鋭さはいつも明るく笑っている渉からは想像出来ないものだった。
多分、あの絵を見てモデルが渉だと気付いた人間はほとんどいないだろう。
だけどその表情は、渉がたまに垣間見せるもので。
「……あいつのあの顔を描ける奴が、あいつに惚れないわけがないもの」
私が渉に落ちた瞬間の表情だった。