ESORA PINK《短》
至近距離でクツクツと笑う廉。

私はどうしたらいいのかわからなくて、とりあえず、体温計を取ってこようと立ち上がろうとすると。

左手をギュッと握られて元の場所へと引き戻された。

「この格好って誘ってるんだよな?」

そしてそのまま廉の右手が私の背中へとのびていったかと思うと、ファスナーを下げる音がする。

同時に、服の胸元が緩んで背中にひんやりとした空気を感じた。


「ちょっと、廉?」

予想外の事態に、胸元を両腕で押さえながらソファの端まで逃げた。

慌てて両足をソファに上げて、バリケードがわりに三角座りをする。

下着が見えているだろうけれど、この際、そんなことはどうでもいい。

そんな私を見て廉は意地悪く笑っていた。

これじゃあいつもと立場が反対だ。
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