ESORA PINK《短》
「知ってる。あとお前勘違いしてるみたいだけど俺、男が好きなわけじゃないから」

私が抵抗しないと気付いたのか、廉がワンピースの胸元を下ろしていく。
そして下着を完全に露出させると、胸にキスを落としてきた。

「ああ、そうなんだ」

そのキスに、素直な反応をみせる私の体。
でも同時に、理性は駄目だと叫んでいた。

私は別にいい。このまま廉と寝たところで、なんのダメージもない。

でも廉はまた余計な罪悪感に襲われるかもしれない。

それだけは絶対に嫌だ。

「ねえ、廉……」

今ならまだ引き返せる。

そのギリギリのところでそう声を出すと、皮膚が引っ張られる感覚が体に走った。
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