魅惑の僕を求めて
???side



プイッと女に顔を逸らされた


でも、理由は知ってる


だってこの人耳まで真っ赤にしてるんだよ?


絶対に僕の顔が気に入ったんだね


「………オイシソウ」


つい言っちゃったよ


でも、もう良いよね?


僕は十分待ったよ



「イタダキマス♪」


僕は女の首に吸い付いた



「つぁ!!??」


ビクッとしてもがく女

僕の喉から笑い声が漏れた


「無様ダネ、イタイ?カンジチャウ?」



僕を見るその瞳はユラユラと揺れている




僕は首に噛み付いた


何度も何度も、甘噛みをした


女は次第に受け入れ、艶やかな声まで出してきた


「…ホンット、無様♪」


そして、


カプリ



ビリ…ビリ…ビリ…



「ひぃぁぁぁぁぁあああ!!!」



艶やかだった声は断末魔の様な悲鳴に変わった



大人しかった女はぐにゃぐにゃともがき始めた


なぜなら、首の皮膚を剥がされたからだ


皮膚の無いその箇所からはたらりたらりと血が滴った



僕はそれを見た瞬間興奮した



全身の毛が逆立ち震わせた



呑みたい、一滴もこぼさずに





僕の喉はゴクリとなった




そして残りの首の皮膚も綺麗に剥ぎ取り、そこへ爪を食い込ませた


プチッと鳴って肉が切れる


そこから染み出るように血が出た



不意に僕は女の顔を見た



痛さのあまり、口からは唾液が溢れている


僕は目に手を伸ばした


前から一度やってみたかった事があった



指を目の前でピンッと伸ばし、躊躇無く押し込んだ


「…目潰シ!!」



お決まりの様な掛け声に重なってブチュッと言う音がした



目玉は卵の白身の様な感触で潰れた



あまりの呆気なさにしばらく指を中でくちゃくちゃと動かした


時折、異物の様な物に指が当たったりした


爪と指の間に白い目玉の破片が挟まった



「腹減ッテナイ?御食ベヨ」


くちゃくちゃに掻き混ぜて原型の分からない目玉、らしきモノを女の口に押し込んだ



どうやらまだ、辛うじて生きているようだが、僕の行動は止められなかった



目玉の場所から白いモノをほじくり出して口にせっせと運んだ



さて、次は脚!



そそくさと足の方へと移動してロープを解いた



逃げ出す力は残ってないし、僕からは逃げられない


だから、安心していじる事が出来る!



僕は陶器の様に滑らかな脚に爪でビリビリと縦に傷を付けた



ブワリと溢れる生暖かい血をすすった


最高に美味たる味だ



それから僕は夢中になって溢れる血を喉へと流し込んだ




気が付けば血は出てこなくなっていた



女は死んだ


心臓が動かない所為で脚には血が流れて来なくなったのだ




でも、それなりに腹は満たした


僕は死んで間もないその脚の傷を大きく広げた





が、つまんない


「ツマンナイ…」



僕は気付いた


生きているモノを痛ぶるのは、すこぶる楽しい


と言うか、愉快だった



そうか、死んだらダメなんだ



そう思うと僕はもう一度血を舐めた


「マズイ…」

不味かった



鉄の味が濃く、さっきのとは別物だ


さっきは鉄臭さはあったものの、クリーミーなフワフワしたものを食べているような感覚だった






生きてないと駄目だ







生きてる物を探そう



そうだねぇ



やっぱり人間が良いなぁ

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