この空の下でめぐり会う奇跡
「あたしね 大阪に居たときの
無くなってた記憶を取り戻したんだ」
あたしのその言葉に
母は『えっ?』と
すごく驚いた。
『石川一樹』と偶然再会したことも
一樹の子供と会ったことも。。。
「幸せそうだったからよかった
あたしも切り替えて一歩前へと進まなきゃって
思った」
母は当時のことを話してくれた
あたしの指に はめてあった指輪を
一樹返したこと。
廊下で少し話したこと。
「あの人 美空を裏切って申し訳ないって
涙目だったわよ」
「そーなんだ」
「記憶を無くすくらい辛い思いしたんだから
思い出すものは全部処分してやれ!
って父さんと向こうのものはリサイクルや
廃棄業者にお任せしたのよ」
そんなことがあったんだ。。。
「会って平気だったの?」
初めは知らない人だと思ってたから・・・。
でも 顔を見るたびに
心を刺すものがあって。
「もう平気!
向こうにもちゃんと話したし
(手紙でだけどね)
だから改めて大阪に行ってみたいし
心配してくれた友達にも会ってみたい」
「でも・・・一人って言うのはねぇ
あっ・・・母さんが一緒に行こうか?」