この空の下でめぐり会う奇跡


数日後・・・
美空を家へと連れてきた。


『どうしよう・・・』
『緊張する・・・』


など・・・と言ったら


『大丈夫だから心配するな』


と言ってやろうと思っていたのに
オレの横で余裕を見せる美空。


「感心するなぁ~余裕な態度じゃん」


「当たり前よ!
ここに来て緊張してどうすんの?
ぜんぜーん余裕だし」


その顔は少し
いつもと違ってるのはすぐにわかる
だからオレもオレで意地悪をする。


「へぇ・・・すごいなお前」


「うるさい黙れ!」


まるで蚊やハエをあしらうかのように
手で覗き込んだオレの顔の付近で左右に振る。


「うん?黙れ?」


「いいから黙って!」


その顔を見ると
一層 血の気が引いている。


プッ・・・やっぱ緊張してる
それなのに『なにもない』
ような感じに見せて続ける美空は面白い。


「じゃあ 中へ入ろうか」


「あ・・・待って!待って!」


「別に緊張してないんだろ」


「そうよ!」


「それなら待てとか言うなよ」


「ごめんなさい
緊張してます!」


「やっぱりね」


「緊張してないと言ってないと
あたしぶっ倒れそうなんだもん」


「大丈夫だから・・・な?」


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