この空の下でめぐり会う奇跡


「どうだった?あたしの推理通りだった?」


台所へ戻ると美夏に聞かれ
ドキッとする。


ーーーキスしてましたーーー


何て言われもせず


「そう!さすが美夏ね
父さんのことよくわかってる!正解!」


「何が・・・?」


「どうせ父さんの事だからネクタイの色だ
靴下だと母さんに出させるのよって美夏が・・・」


「ああ・・・」


「まだまだお子ちゃまなんだから」


娘に言われ言い返せない一樹は面白い。


「おっ?あいつまだ寝てんのか?」


「昨夜バイトから帰って来たのが
遅かったからね
今日はお昼まで寝る!
って言ってたから
起さないよ」


「そうか」


あいつとは・・・。


そう虎太朗は大学生になった。


まどかさんと再婚した人の間に
子供が出来た途端
相手が虎太朗と我が子の差別をし始め
虎太朗も5歳ながら反抗気味で
こっちへ振ってきたのだ。


一樹にその話を聞かされ
2つ返事で『あたしたちが育てよう』
と言って5歳のときから引き取った。


数ヶ月で大樹が生まれたが
あたしは差別することなく
我が子のように今までの接している。


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