この空の下でめぐり会う奇跡
まだ大樹と美夏には虎太朗とは
血の繋がらないことは伝えていない。
言うチャンスがなかったと言うか
二人が大きくなってからでも
いいかと思っている。
一樹と美夏を送り出し
あたしもパートに行く準備。
いまだに橋元建設で働いているが
子供が生まれてからは
正社員からパートになり
時間が優遇してもらえるようになった。
夜の8時
石川家の夕飯が始まった。
虎太朗のバイトの日や大樹の塾
など合わせられない日もあるが
なるべく家族団らんをするように
心がけている。
今日この席には虎太朗も一樹もまだ
帰ってきていなかった。
「さぁ~食べましょ」
記念日だけど
全然日常と変わらない食卓。
ケーキでも買えば良かったかな?
なんて後悔。
一樹が買ってくるかもなんて
少しの期待。
すると一樹が帰って来たが・・・
いつもの鞄を抱え帰って来ただけ
期待はずれ。