この空の下でめぐり会う奇跡


すると虎太朗がろうそくに火をつけて
ケーキを運んできた。


「今日は結婚記念日だろ?
おめでとっ!」


あたしさえ忘れてたのに
この子たちは・・・。


「知ってたの?」


「たまたまさ~父さんの手帳が落ちてて
それを拾ったときに
今月の予定が書いてあるから
忙しい人だなぁ~なんて見てたら
今日の日にハートマークつけてさっ!
結婚記念日って書いてあったから
ハートマークだよハートマーク!ウケる!」


答えようのないあたしたち。


「別にいつまでも
ラブラブな親でいいんじゃない?」


「だろ?美夏!」


バカな一樹 何が『だろ?』よ!!!


そんな時 いきなり大樹が
「あ!!!!!」
と大声をあげた。


『なに?いきなり!』


みんな大樹を見た。


「兄貴!年数間違ってる!」


指差したケーキのプレートには
【結婚16周年おめでとう】
と書いてあった。


「あはは コタ兄大失敗だ!
16年って言ったらコタ兄は存在しないじゃん!
と言うことは結婚21周年?22周年?
母さん若くして子供産んだんだね」


その場は『チンッ』と静まり返った。




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