この空の下でめぐり会う奇跡
オレのことは全く記憶にないらしい
「誰か連絡しなきゃいけない人いる?」
と尋ねても
オレの名前は出てこなかったらしい
「彼氏が居たんじゃないの?」
と尋ねても
「そんな人いたら母さんに知らせるでしょ」
と 言ったらしい。
だからホントはまたこれを機に
よりが戻ればいいなという思いで
病室に入れたけれど
本人も覚えていない状態だし
「あなたが他の女の人との子供を作って
自分は捨てられたことを忘れてるなら
それはそれでいい
だからこれはお返しします
あの子が左手にはめてたらしいの
あなたに貰ったものでしょ」
と 指輪を返された。
看護婦さんが母親に手渡したらしい。
何かのときに指輪があなたを思い出すきっかけになって
またつらい思いをしないように・・・と。
「美空の部屋に行ってあなた関係の物は
すべて処分させてもらいます
あの子の部屋にあなたが必要ようなものがあったら
来週までに連絡ください」
母親の番号をもらった。
オレは掛けることはなかった。
こうしてほんとにオレたちの恋は
終わりを告げたのだった。