この空の下でめぐり会う奇跡


9時に虎太朗を寝かせて
やっとオレの時間になった。


オレは今週末からの出張に備え
設計のデータチェックなどを
始めた。


「ただいま」


まどかは 日にちが変わる手前に帰ってきた。


「お帰り」


そのお帰りと言うのが気に入らなかったのか


「いつだってそう
あたしに感心ないのよね
この時間なのに『何してたんだ!』
とか 普通の旦那なら怒るでしょ」


普段こんなことをあまり言わないのに
お酒の力を借りて言ってるのか。。。
結構酒臭いし・・・。


「酔ってんのか?」


「酔ってますよ酔ってます」


「オレにさ~ 逐一『何してた』だとか
『どこへ行ってた?』だとか
言われて嬉しいか?」


「それだけ思ってくれるってことでしょ?」


「ああ…分かった分かった
こんな時間まで何してた?
誰と居た?
何飲んだ?」


ほぼ棒読み・・・。


こっちは家に帰ってまで
パソコンとにらめっこしてるのに
酔っ払いには付き合ってらんないから。








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