この空の下でめぐり会う奇跡
「ママは?」
ヤってる最中ではなかったのが
不幸中の幸い。
まだ2歳の虎太朗は
さっき見た光景は何もわかってないようだ。
「ママは頭が痛いんだって…
だからお医者さまが診てくれてるから
大丈夫だよ」
・・・側に大人が居たら
『お前は何言ってんだよ
裸でお医者さまごっこか?』
と 笑われるんだろうな。
もしこの場に虎太朗が居なかったら・・・
オレはまどかを殴ってるか
男を殴ってるか。。。
冷静に「お医者様が・・・」
なんて言ってるわけない。
この状況で晩飯を用意してるわけもなく
(帰ると連絡してないオレもオレだが・・・)
「虎太朗~お腹空いてないか?
お前の好きな寿司を食いに行くか?」
「うん!」
とにかくこの家から連れ出したかった。
一瞬しか見てないかもしれないその男を
もう一度見せたくもなかったし。