空を見つめて
先生「大丈夫ですか?少しお話をさせて
頂いてもよろしいですか?」
「はい…。」
先生「あなたは、昨日火事に巻き込まれ、重症をおい、この病院に運ばれて来ました。
それで、大変申し上げにくいのですが、
ご家族のかたは、他の病院で死亡が確認されました。」
「そうですか。」
先生「手術の途中、ガンが発見されました。残念ながら、あなたの体力では長時間の手術は…。それに、もうすでに手遅れの状態でして…。」
「はい。」
先生「とりあえず、しばらくの間入院となりますので、手続きの方をして頂いてもよろしいですか?」
「すみません。お金がないのですが。」
先生「そうですかー。家の事情は色々ですからねー。」
「はい。」
先生「なにがあったか分かりませんが。私があなたの面倒を見ましょう。」
「え?いやいや、あの、見ず知らずの方にそんなこと…。」
先生「いいんですよ。これから、幸せになればいいんですから。
終わりよければ全てよしっ
といいますからねー。」
と先生はにこやかに笑った。
その顔が眩しくてしょうがなかった。