一目惚れ

「電車で一度お会いしましたよね?」

「はい。あの時から

 あなたに会えるよう願っていました。

 この後、もしよければお茶でもしませんか?」

明るくなったシアターの通路で、

向かい合い男の眼を見極める。

どんな生き方をしているのかはよくわからない。

けれども良い眼をしている。

この男には捉まるかもしれない。

「ええ。喜んで。」
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