コンプレックスさえも愛されて。
唇を食むような感じでキスされて、彬さんの舌先が唇をなぞる。
その度にビクッとして、逃げそうになる身体を腰をグッと抱かれて、その隙に舌先が口内へと侵入してくる。
濃厚なキスはいつまで経っても慣れない。
どこで息継ぎをすればいいのか分からないし、舌を吸われると恥ずかしくて死にそうになるし、どう反応していいかも分からない。
上手く応えられないのがまた恥ずかしくて、だからってそれを素直に言葉にもできなくて。
「沙耶香、また息止めてただろ?死んじまうぞ?」
ゆっくりと、ちょっといやらしい音を立てながら唇を離すと、彬さんは私をギュッと抱き締めながら毎回笑う。
それは別に私をばかにしてるんじゃないって分かっているけど、手慣れている彬さんを前にして、何も言えなくなってしまうのだ。