コンプレックスさえも愛されて。
「なぁ?……なんか、用事ある?」
「だ、大丈夫です」
「マジで?」
「はい」
「やった!ありがと沙耶香!」
彬さんは満面の笑みで、私をまたギュッと抱き締めた。
「分かってると思うけど泊まり、だからな」
ギュッと抱き締められたままの状態で、わざわざそんな念を押す彬さん。
なんだろ、と思ってチラッと様子を伺うように目線を上げると、彬さんの唇が額に押し当てられた。
少しだけ速くなった心臓。
彬さん?って問いかけようとした時に、意味分かってるよな?とまた念を押されて。