コンプレックスさえも愛されて。
「でも…言ったら嫌われるかも、しれなくて……」
「言いたくないんじゃなくて、嫌われるかも、って怖いだけ?」
彬さんの言葉に頷けば、彬さんはなんだよ良かった、って笑った。
向かい合ってる状態で彬さんが私の脇の下に手を差し込んで身体を浮かせて、自分の胡坐を掻いている足の間に私を引っ張り込む。
背中に彬さんの鼓動を感じて、背後からギュッと抱き込まれて、これなら俺、心音でばれるから嘘吐けねぇからな、って言いながら私の髪にキスをした。
「言うのが怖いって気持ち、分からなくはないけどさ。言わないで擦れ違う事の方がよっぽど怖い、って俺は思うから……きっと俺、しつこいよ?沙耶香が言うまで、何度も聞くと思うし…もうしつこい!って、沙耶香、怒るかもな」
ギューッと抱き締められながらのその言葉が、私にとってはもの凄く嬉しかった。
小さく笑った私に気付いた彬さんが、あ、沙耶香が笑った、って言いながら更にギュって抱き締めてくれた。