コンプレックスさえも愛されて。
「俺は沙耶香が可愛くて可愛くてたまんないんだよ……会社にいる時も、本当は触りたくてしょうがなかった……」
キスしながら気が付けば押し倒されていて、背中には座布団と彬さんの手があって、私の視界は彬さんでいっぱいになった。
「ちょっとだけ、この先進んでもいい?」
そんな事を言われてキスされれば、不思議と私の中に抵抗する気は起きなかった。
あんなにあんなに怖かったのに。
慣れていない自分を知られる事も、コンプレックスでいっぱいの身体を見られる事も。
あんなに、あんなに悩んでいたのに。
それ以上の大きさで、求められる事に喜びを感じている自分がいるから。
「……好きだよ、沙耶香…」
恥ずかしくて小さく頷いただけの私の髪を撫でて、彬さんが近付いてくる。
彬さんの低くて甘い声が耳許で想いを紡いでくれた瞬間、私はもう、なにも考えられなくなってしまった。