チョコレートなんか大嫌いっ
『かんぱーい!』
『か、かんぱい…』
『いやぁ!大成功だよぉ!もうね、掴みは完璧ぃ』
『ぁ、そうなの…?』
『そうだよぉ』
『おい、ここで騒ぐな』
『いいでしょ!客なんて誰もいないんだからぁ』
『客とか関係ねぇ。俺が目障りに思ってんだよ』

例によって葵ちゃんにルポゼに連れてこられていた。
プチ前祝いなんだそう。
まだ何も復讐出来てないのに。
相変わらずの涼介さんのぶっきらぼうな口ぶりに迷惑をかけて申し訳ない気持ちになる。

『おらよ』

ドツかれるんじゃないかとビクッとしたが、目の前に小さなチョコレートケーキが出てきた。
ご丁寧に【祝マキ】の文字が入ったチョコのプレートつきで。

なんだろう。
この人は、言ってることとやってることが今一噛み合っていない気がする。

『それで?復讐らしいことしてねーけど、最終的にどうすんだ?』

私がずっと気になっていたことを涼介さんが変わりに聞いてくれた。

『ふっふっふ、気になるぅ?』
『勿体ぶらなくていいからさっさと言え』
『あたっ』

容赦なく涼介さんは葵ちゃんにチョップをかました。

『もー!ぶたなくてもいいでしょー!乱暴者ぉ!そんなんだから女子にモテないんだよぉ』
『うるせぇ!余計なお世話だ』
『じゃあ、心して聞いてくれたまえぇ!』
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