チョコレートなんか大嫌いっ
復讐計画その③

男に免疫をつける

こればっかりは私には無理なんじゃないかと思う。
異性とか同姓とか関係なく、人間とのコミュニケーションが不得手な私がいきなり異性と親しくするなんて。
ペンギンが空を飛ぶより難しい。

しかし、葵ちゃんの強引さには逆らえず計画を進めることとなった。

『行こっか、真紀ちゃん』
『ぁ、は、はいっ!』
『ふふ、緊張してるの?』
『…ぅ…』
『可愛いね』
『……っ』

とある日曜日――
さっそく修行が始まったようだ。
葵ちゃんに駅前に13時にくるように言われたのだが、来てみればそこには柊さんしかおらず全てを察した。
免疫をつけるってこういうことか……!

しかし、人選がいきなりハードルが高過ぎる気がした。
今日1日、私の心臓が持ちこたえられるのか自信が持てない……

『真紀ちゃん行きたいところとかある?』
『ぇ、あ…あの…特に…』
『そっか。じゃあ、俺の隠れ家に付き合って貰ってもいいかな?』
『は、はい』

柊さんはいたずらっぽく笑った。
こんな表情は初めて見たかもしれない。
しかし眩しい笑顔に変わりはなく自然と頬に熱が集まる。
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