チョコレートなんか大嫌いっ
『でぇ?てんちょーとどうだったぁ?』

葵ちゃんがニヤニヤと聞いてくる。
復讐計画といいつつも最近は完全に面白がられている気がしてならない。

『あぁ…バドミントンしたよ』
『でたぁーー!てんちょーお得意のぱてぃーん!』
『家族でよく行くんだもんね』
『そーそー!遊びっつったらだいたいそこなんだよねぇ。もっと艶っぽいとこ連れてけってのぉ。ほんと気が利かないなぁ』
『そうかな…すごく楽しかったけど』
『高木はピュアッピュアだなぁ。でぇ?』
『…ん?』
『いや、だからぁ、それでぇ?』
『それで…といいますと…?』
『は?』
『え?』
『嘘でしょ、ねぇ待って』
『うん?』
『まさか、バドミントンしただけぇ!?』
『うん…それで家まで送ってもらって…おしまい』
『帰り際チッスされたとかはぁ!?』
『えっ…!?ないよ!そんなこと!』
『ま じ か YO!』
『ぁ…ま…じだよ?』
『うん、そっかぁ。なるほどねぇ。んーー、いやぁ、それがさぁ、てんちょー年甲斐もなく帰ってから様子がおかしくてさぁ。これは2000%なんかあったと思ってたんよねぇ』
『そうなの…?』
『だってさぁ!昼に作っておいた夕飯あんのに帰ってからまた夕飯作り始めたりぃ、てんちょーの後にお風呂入ったら水風呂になってるしぃ、もうとにかく様子がおかしいんだよぉ』

なんだろう。確かに様子がおかしそうだ。
しかし心当たりがまるでなく、普通に楽しく遊んでもらった印象だったのだが何か動揺させるようなことをしてしまったのだろうかと胸が痛む。

むにぃ

『いひゃい…!』

突然葵ちゃんにほっぺたをツネられた。

『ひゃにすうの…!?』
『なぁんかネガティブ思考してた気がしてぇ』
『…う』

葵ちゃんは鋭すぎる。
他人に興味無さそうなのに不思議でならない。
私だけ特別なのかなぁなんて自惚れてみたり。

油断するとすぐネガティブに落ちてしまうけど
葵ちゃん一家のおかけですごく明るくポジティブになってきた気がする。
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