チョコレートなんか大嫌いっ
ここ最近定番となりつつある日曜日のお出掛け。
3度目ともなれば慣れたもんで……慣れた……
全然慣れない……!

むしろ行ってみないと誰が来てどこに行って何をするのか分からない状況に何の対策も出来ないまま行くのだから不安は当然である。

待ち合わせの5分前に到着した。
この辺で待っていればいいかなと立ち止まると後ろから肩を叩かれた。
今日は誰なんだろう…と振り替えると

『ねえねえ』

ほんとに誰!?
葵ちゃん、ついに見知らぬ人にまで頼んだの!?

『お姉さん、待ち合わせ?良かったら一緒にあそぼうよ』
『へ?』
『彼氏?友達?』
『あ…いや…その…』

グイ
突然強い力で腕を引っ張られスッポリと暖かいぬくもりに体が包まれる。

『彼氏。そういうわけだから消えろ』
『し、失礼しましたーーー!』

見知らぬ人が慌てて去っていった。
筋肉質な腕から視線をあげると見知った顔があった。

『り、りょーすけさん!?』
『おー、見つけるの遅くなってわりぃな』
『あ、いえ、そんな…っていうか…』
『ああ、わりぃ』

優しくそっとぬくもりが離れていく。
初っぱなからのふれあいにドキマギして全身が熱くなる。

カウンター越しに見ていたから気がつかなかったが涼介さんは細マッチョなんだ~なんて邪なことを考えて気をまぎらわせようとするが余計に意識してしまう。
痛恨の思考のチョイスミス。

『とりあえずいこーぜ』

そう言いながら自然に私の手を涼介さんの腕に絡ませられた。
なにこれ!?
こっちはパニックだっていうのに気にした様子もなくズカズカと歩みを進める。

私の人生で3人目の男(デートした的な意味で)
こういう感覚初めてだから不確かだけど女慣れしている空気をビンビンに感じる…!
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