私-前編-

私はメールを作成した。

“いきなりメールしてごめん。
ナツから彼女ができた事は聞いたよ。
あたしはまだアキの事が大好きです。
私は町を出ました。
もう会う事はないと思うけど、これからもずっと大好きです。
大好きだから、アキの幸せを願ってます。
さようなら”

私は唇を噛み締めて、覚悟を決めて、メールを送信した。


すると一分位でメールが鳴った。


私は静かに携帯の受信を開いた―…

“何やねんそれ!ケン君達どんだけ心配してると思ってんねん!!自分勝手もいい加減にしろ。どこおんねん?すぐ迎えに行くから”


もちろん戻る気なんてなかった。


メールを送った事を後悔した。


それから鬼のようにアキから電話がかかってきた―…


耐えられなくなった私は電源を切った―…


アキとの約束を破ったんだ…


もう戻れないよ…



もう傷つきたくないよ…



あの日さよならしたんだ…


アキ…幸せになってね…


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