私-前編-
「で?実際亜美は再会してどうなん?」


『どうって…
別に…アキ‥
じゃなくて高原だって人違いって言ってたし…


関係ないよ!』


私は早口で言うとおかずの唐揚げを口に放り込んだ。


「そうなん?
でも高原格好良いやん!!
モテそう!」



確かに背は165センチ程あって、髪は茶髪でサラサラ―


『どうでもいいよ。』


胸がモヤモヤしたが

揚げ物が多いお弁当のせいにして私はお弁当箱を片付けた。


それから少しナツとくだらない話をして私達は教室へ戻った―…




私の教室の前には周りをキョロキョロしている兄が居た―



『あっ!!兄ちゃ……』


「ケン君!久しぶり〜!」


兄に後ろから笑顔で飛び付いているのは

アキだ―…


「おぅ!久しぶりやんけー!
噂でアキが転校してきたって聞いたから。

…てか亜美と同じクラスやんけ!」




「みたいです…」



はぁ?!



私の時は完全否定したクセに…

何なの??




私は静かにその場を離れた。




< 12 / 345 >

この作品をシェア

pagetop