私-前編-
「そっか‥華には辞めて欲しくはないけど、仕方ないな!
…でも別に一ヵ月じゃなくてもえぇねんぞ?」


いつも優しい松本さん―…

『いや…
私が一ヵ月働きたいんです。
華の恩返し』


私はおちゃらけてみせた。

「ほぅか。ほな頑張ってもらうわ」


松本さんも爽やかな笑顔だった。


松本さんは一ヵ月後に辞める事に承諾してくれて、帰って行った―…




それから次に私は兄にメールを打った


“久しぶりです。
心配かけてごめんなさい。私は元気にやってるよ。今はまだ言えやんけど、いつか兄ちゃんには本当の事を話すから、それまで待ってて欲しい。
わがままな妹でごめんなさい。”


私は送信すると電源を切った―…
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