私-前編-
「何年ぶり?」


『……………』


「何か喋れよ‥」


アキから笑顔が消えた…





『誰かと間違ってねぇ?』

私はイタズラっぽく今朝言われた事をそのまま言った。

「なぁにぃ?もしかして怒ってんの?」


『…べ…別に怒ってない!』


「ムキになって〜!昔から変わってないなぁ」

アキはからかうように言った。




『‥じゃあ何であんな風に…言ったん??』



「……………」


アキは俯いたまま黙ったまま…



え?


私何かマズイ事言った?



『ぢゃあ私そろそろ帰……』



「お前可愛くなったなぁ……」



…エッ!?

…今何と!?!?


「何照れとんねん!」


『はぁ?…わけわかんない…』


「正直俺って気付いた事にビックリした……
おかんから亜美と同じ学校って聞いてたけど、まさか同じクラスになるなんて思ってなかったし……
しかも席も隣とか…心の準備が出来てなかったと言うか……」


アキは自分の髪を触りながら言った。



私はなぜか嬉しかった。

『あはは…アキ変わってない〜』


「アホか!?全然変わっとるわ!」


『アハハ!』


それから他愛もない話で盛り上がった。


『ヤバッ…帰らないと‥』

気付けば6時過ぎ…


「送るわ‥オバチャンにも挨拶したいし」


< 15 / 345 >

この作品をシェア

pagetop